1911（明治44）年に建造された旧金森船具店を改築し、クリスタルガラスの最高峰であるバカラの作品を紹介。ミュージアム・コレクションとしてフランス・パリにあるバカラミュージアムの所蔵品の中から厳選した復刻品23点を展示している。建物は、貿易港として早くから外国交流があった函館を象徴するような、日本建築とルネッサンス様式が融合した重厚な雰囲気。市の景観形成指定建築物となっている。

開港して150年足らずの函館は、北海道で夢を耕そうとした人たちが次々に上陸した町だ。五稜郭にこもった土方歳三が官軍と戦った海岸あたりから、人々は陸続として札幌に向かったという。今、函館本線と国道5号線の通る道だ。函館山に登ると朝市を開く人達が見える。港のレンガ倉庫街に続く朝市通りは、腹をいっぱいにして北へ向かおうとする人であふれていた。大沼湖畔まで来ると駒ヶ岳が美しい姿を現す。小島がたくさん浮かんでいる。夏場は島巡り、冬は凍結した湖面の上でワカサギ釣りをする人で賑わう。近くの七飯スキー場からは、煙を上げる駒ヶ岳と有珠山、形よく空に延びる羊蹄山を眺められる。日本にはちょっとない風景である。